3兆ドル規模の産業であるファッションは、土地耕作のための農薬、染料、繊維製品を通じて発生する世界の廃水の20%を担っており、それらはしばしば海に逆流する。ポルトガルのリスボンで開催された2022年国連海洋会議で発表された「海洋の10年」支持活動「オーシャン・フラッグ」は、ファッションによる環境汚染と、ファッションというレンズを通して気候変動が海洋に及ぼす悪影響について一般の人々を教育することのギャップを埋めることを目的としている。
気候変動とその影響への一般市民の参加を促す教育・訓練プログラムを基盤に、オーシャン・フラッグは、海洋の健全性のために有意義な対応を開発するために、社会のあらゆる部門を横断して意識を高め、情報交換を促進する。
このイニシアチブの具体的な形は、文字どおり、埋め立て処分されるはずだったさまざまな衣服で作られた実際の旗という形をとっている。これらの布地はアップサイクルされ、個人が海洋行動への誓いを立てるためのキャンバスに生まれ変わる。参加者は誓いの言葉を書き、署名し、なかには絵を描く人もいる。
このイニシアチブのリーダーであるルナ・レイは、2022年の国連海洋会議にオーシャン・フラッグを持ち込んで展示し、人々の海洋行動への動員、鼓舞、啓蒙を促した。
「サインは芸術表現の最も基本的な形です......言葉や文章、あるいは芸術作品にまで精巧化されたとき、そのサインは拡大され、歴史にその場所を見出し、コミットメントとなるのです」と彼女は言う。
消費者の行動を変え、連合を拡大し、政府やセクターを超えた組織と協力することで、オーシャン・フラッグは海に対する豊かなコミットメントを生み出し、海洋リテラシーを奨励し、ファッションの廃棄物に関するトレンドを逆転させている。
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さらにルナは、国連グローバル・コンパクトと 安全海藻連合の支援を受けて、新しいファッション・コレクションを発表する機会を得た。このコレクションは、12世紀の日本固有の印刷技術を復活させたもので、海藻を薬剤として使用することで、水の浪費と汚染を軽減している。
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また、国連海洋特使のピーター・トムソン氏は、海洋汚染に対処するために、産業界が廃棄物の代わりとなるものを再考することが急務であるとして、ファッションが及ぼす影響の重要性が高まっていることを強調した。同様に、海洋の未来のために一般市民や若者の関心を高めるための教育の重要性も、すべての首脳によって強調された。
また、オーシャンフラッグは「#ACT4SDGs 国連グローバルウィーク」(2022年9月16日~25日)の動員パートナーでもあり、9月にニューヨークの国連本部で展示され、ファッションを通じて193カ国をつなぎ、海洋行動に関する世界の啓蒙に貢献する。
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オーシャン・ディケイドについて
国連総会によって2017年に宣言された「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(2021〜2030年)」(以下、「海洋の10年」)は、海洋システムの状態の衰退を逆転させ、この巨大な海洋生態系の持続可能な開発のための新たな機会を触媒するために、海洋科学と知識生成を刺激することを目指している。海洋の10年」のビジョンは、「私たちが望む海洋のために必要な科学」である。海洋の10年」は、海洋システムのより良い理解を達成するために海洋科学の進歩を加速し、活用するために必要な科学的知識とパートナーシップを開発し、2030アジェンダを達成するための科学的根拠に基づく解決策を提供するために、多様な分野の科学者と利害関係者のための招集枠組みを提供する。国連総会は、ユネスコの政府間海洋学委員会(IOC)に「海洋の10年」の準備と実施の調整を委任した。
オーシャンフラッグについて
オーシャンフラッグの目的は以下の通りである:
- 2030年までに5億の海洋コミットメントを獲得する
- 気候変動と海洋の関係について人々を教育する。
- ファッションの廃棄物を社会貢献のために再利用する
- ファッション公害の是正
- 海洋リテラシーのために人類を統合する
- 海洋・海域の生態系や地域社会を脅かすさまざまな側面を浮き彫りにする。
- 人権と気候変動対策のためのロビー活動に市民を参加させる