主導機関:
NORCE - ノルウェー
生物学的炭素ポンプは、海洋炭素循環と気候システムを制御する重要な生態系プロセスである。表層から海底堆積物へと移動する有機炭素の量を制御することで、このプロセスの強さを形成している。
その重要性にもかかわらず、気候変動によって生物学的炭素ポンプが弱まるのか、それとも強まるのかは依然として不明である。生物学的炭素ポンプの働きが弱まれば、地球温暖化が増幅され、パリ協定で定められた目標達成の可能性が狭まってしまうため、この知識のギャップを埋めることは極めて重要である。しかし、これまでのところ、堆積物の記録から生物学的ポンプを再構築する代用品はなく、過去の気候変動に対する反応を評価する能力は限られている。古代のプランクトンDNAを、過去の生物学的炭素ポンプを再構築するためのプロキシとして利用するための学際的アプローチを実施する。新しい堆積DNA観測手法を活用することで、化石記録を超えた太古の海洋生物多様性を復元する。これを既存の地球化学、気候、DNAデータと組み合わせ、生物学的ポンプによる炭素隔離の重要な地域である北大西洋と北欧海の表層堆積物サンプルと3つの第四紀後期堆積物コアに焦点を当てる。この研究は、最終間氷期までさかのぼり、地球温暖化に対する生物学的ポンプの潜在的な反応についての洞察を提供する、初めての生物学的ポンプの復元を行うことを目的としている。BIOCAPは、気候変動が生態系とその根底にあるプロセスに与える影響を理解し、地球温暖化率に影響を与えることに大きく貢献する。
開始日:2024年01月01日
終了日:2027年12月31日
リード・コンタクトトリスタン・コーディエ(trco@norceresearch.no)