主導機関:
海洋研究所 - ノルウェー
養殖産業は、海水移入後の死亡率の高さや原因不明の成長低下など、動物の健康に関わる大きな課題に直面している。サケの飼料に植物原料を使用することで、肉食性の海洋養殖魚に初めて経口的にマイコトキシンが導入された。
世界の陸上動物飼育において、マイコトキシンは水産養殖で報告されているような生産疾病を引き起こすことがよく知られている。カビ毒に汚染された飼料によって引き起こされる健康状態の悪化、成長の低下、死亡率の増加は、経済的損失と動物福祉の低下を引き起こす、飼料サプライチェーンに対する最も重大な危険と脅威のひとつであると認識されている。最近の研究では、サケ飼料の80%以上に新興カビ毒と呼ばれるカビ毒が含まれており、中でもエンニアチン(ENN)が最も多く含まれていることが判明した。最近、マイコトキシンであるエンニアチンBが、市販飼料に時折見られるレベルでアトランティックサーモンの健康を損なうことが判明した。しかし、マイコトキシン誘導体は複雑な混合物中に共存し、動物の健康に単独とは異なる影響を及ぼす。このことから、ENNの混合物は、サケのスモルトの頑健性や海水移入後の成長低下という現在の課題に一役買っている可能性がある。しかし、これについてはまだ調査が必要である。
このプロジェクトは、スモルト前の飼料に共存する新興カビ毒の負荷によって、サケが生産に関連する病気にかかりやすくなり、その後の成長が低下するかどうかを調査することを目的としている。スモルトの頑健性に焦点を当てた給餌試験を実施し、海水移入前後のマイコトキシンの影響を調査する。魚の成績は生産サイクルが終わるまでモニターされる。サケ生産のさまざまな段階における影響エンドポイントの包括的スクリーニングは、サケ飼料中の新興カビ毒の安全限界値を設定するために使用される。MYTOXAは、in silico、in vitro、in vivoのデータをシステム生物学的な枠組みで統合し、新興マイコトキシンの毒性に関する新たなメカニズムを裏づける。
開始日:2024年01月01日
終了日:2027年12月31日
リード・コンタクトカイ・クリストファー・リー(kaikristoffer.lie@hi.no)