主導機関：
アクヴァプラン・ニヴァ - ノルウェー
動物プランクトンの垂直移動は、私たちの地球上で最大の同調運動として知られている。ノルウェー北部の沿岸や沖合では、Calanus finmarchicusという小さな草食性カイアシ類が2つの異なる垂直移動を行なっている。
これには、日射量、水温、餌の入手可能性、視覚的捕食リスクの変動に対応した、数万から数百メートルの毎日の垂直移動（日内垂直移動）と、数百から数千メートルの季節的移動（季節的垂直移動）が含まれる。これらの回遊は、生態学的・経済学的に最も重要な役割を果たしている。なぜなら、商業的に捕獲される多くの魚種の垂直行動、資源量、フェノロジーは、これらと関連しており、また垂直回遊は、海洋深部への大気中の炭素の輸出に寄与しているからである。しかし、急速な気候変動により、これらの回遊が起こる日常的な日周・季節的な環境変動は前例のないほど変化し続けており、C. finmarchicusの垂直回遊がこれらの環境変動にどのように対応するかについてはほとんど知られていない。この課題に関する現在の理解は、個々の環境変数が垂直移動に与える影響に焦点を当てているが、提案されているプロジェクト「Migratory Crossroads」では、将来の高緯度海洋生息地における放射照度、水温、餌の利用可能性、捕食のシフトが、C. finmarchicusの日周移動と季節的垂直移動に与える累積的影響を調査する。この力学的・経験的ハイブリッドアプローチは、シミュレーションモデルによる予測と、最新の高解像度フィールドデータを用いて検証された垂直移動の制限のない表現とを統合したものである。Migratory Crossroadsを通して、C. finmarchicusの垂直移動の将来的な動態を正確に予測し、これらの移動から得られる生態学的・経済的利益への影響を予測することを目的としている。
開始日：2024年01月01日
終了日：2026年12月31日
リード・コンタクトDumindu Kanchana Bandara Wijekoon Mudiyanselage(kba@akvaplan.niva.no)