主導機関:
スタヴァンゲル大学考古学博物館(ノルウェー
流木、海藻、貝類、沿岸植物、羽毛布団などの海洋資源は、かつての自給自足には欠かせない要素であったが、見過ごされがちである。しかし近年、こうした資源が現代社会にどのような恩恵をもたらすのか、関心が高まっている。
この学際的プロジェクトは、民族史的資料、考古学的調査と発掘、遺跡からのサンプルの科学的分析を用いて、ヴァイキング時代から近世にかけてのノルウェー西海岸における海洋資源の利用と、それが集落のパターンや生活様式に与えた影響について、全体的な理解を深めることを目的としている。これを達成するために、海洋資源利用の歴史的記録を、陸上と海上から調査された沿岸の考古学的遺跡の発掘とともに調査する。
これまでの研究が商業漁業の生産性に焦点を当てていたのに対し、この研究の目的は、地域住民の生活体験を調査することである。緊急性は、気候変動による海岸浸食のリスク増大に直面している多くの現場から生じている。歴史的に燃料や木材として利用されてきた流木は、特にスタッド以北では、気候変動や河川管理によって減少している。流木の歴史的利用についての理解を深めるため、考古学的記録から流木を特定する方法を開発する。発掘されたサンプルは学生のプロジェクトを支援し、環境考古学の地元専門家を育成する。現代の流木を調査することで、プラスチック汚染など現代の課題を明らかにする。
映画、ワークショップ、巡回展を通じて、過去の海洋資源開発と現在の海岸ゴミとの関連性を示すことで、海洋採集資源の多様な可能性に対する認識を高め、良心的な沿岸・海洋交流を促進する。
開始日:2024年01月01日
終了日:2027年12月31日
リード・コンタクトドーン・エリス・ムーニー(dawn.e.mooney@uis.no)