主導機関:
ダルハウジー大学 - カナダ
北極圏の海洋哺乳類は急速に変化する環境の中で生きている。しかし、増加する人間活動が北極海の鯨種や個体群に与える影響については十分に理解されていない。
具体的には、人為的な騒音源によって原始的な環境が失われることで、音響マスキングや行動妨害から極端な聴力損失や死亡に至るまで、様々なレベルの影響が予想される。さらに、カナダ北極圏における船舶交通の増加による重傷や死亡のリスクは、クジラの種にとって懸念が高まっている。我々は、北極海の鯨類に対する船舶騒音とソナー暴露の音響的影響を定量化し、船舶衝突のリスクを評価するために、実験的対照研究を用いた多角的な研究アプローチを採用しようとしている。
空中行動観測(ドローン)と水中バイオロギング技術(水平面と垂直面の2次元の動きを記録する時間深度記録計と3次元の潜水行動と受信音を記録する短期高解像度バイオロガーを備えた長期かつ粗いスケールの衛星テレメトリータグ)、餌場マッピング(海洋学的サンプリング)、船舶の位置と騒音データ(AIS)を組み合わせることで、私たちは以下のことを明らかにする:1)人為的な騒音がホッキョククジラの行動と発声(鳴き声と反響定位率)に与える影響、2)潜水行動が船舶の衝突リスクに与える影響、3)撹乱、傷害、死亡のリスクを低減するために影響を緩和できること。
私たちの研究成果は、北極圏でのソナー使用に関する国防省のリスク軽減行動を直接支援し、北極海の鯨類に対する海運と環境影響に対するカナダ漁業海洋省(Fisheries and Oceans Canada)の適応的対応に貢献するものである。私たちのプロジェクトは、北極海の鯨類に対する海運と漁業活動の累積的影響を評価することで、より強力な先住民とのパートナーシップを構築し、沿岸地域社会を巻き込んでいきます。
リード・コンタクトサラ・フォーチュン(Sarah.Fortune@dal.ca)